■ウイルスは遅かれ早かれ国内に侵入する
現在成田空港で「水際検疫」なるものが行われているらしい。新型インフルエンザウイルスの国内侵入を阻止するためである。無意味とは言わないが、残念ながらその程度の検疫ではインフルエンザウイルスの国内侵入阻止は不可能であると言わざるを得ない。
SARSと異なり、インフルエンザは、自覚症状が現れる一日前から感染者はウイルスを排出し始める。「昨日、空港ではなんともなかったのに・・」ということは容易にあり得るのである。
もう一点、水際は成田だけなのでろうか?関空や中部国際空港、また港はどうなのだろうか?グローバル化した現代社会には、皮肉にも水際は無数に存在する。成田では機内検疫を行っていると報じられているが、他の水際でそこまでの検疫を行っているとは思えない、もっともそこまでしても侵入を阻止できない理由は上述した。
だからと言って現在の検疫は無意味だとか、ナンセンスだと言うつもりはない。ただ、「ここまで水際検疫を行っているから、ウイルスの侵入は当面無い」と想定してはならないというだけである。
現在の世界での感染者の拡大を見ていると、もはやフェーズは限りなく「5」に近い。WHOも早晩見直しを迫られるだろう。封じ込めは失敗したのである。封じ込めという発想自体がナンセンスだったと言わざるを得ない。
そして現在の我が国は逆向きの封じ込め「逆隔離」を行うべく水際検疫に励んでいる。だが忘れてはならない、攻撃側にはあらゆる選択の自由があるが、守備側にはそれがないということを。つまり我が国は現在の水際検疫を突破された時を想定し、国民に啓発しなければならない。「発熱相談センター」「発熱外来構想」・・・これらを具体的に国民に説明する必要がある。積極的かつ具体的な対策の啓蒙の方がより効果的にパニックを押さえられる。満足に情報公開もせずに、「正確な情報収集をして落ち着いて行動してください」と言っても、それは無理というものである。
佐賀県はおそらく我が国で最も体制が整っている自治体の一つだろうと思う。すでに発熱コールセンターを設置し、フリーダイアルも公表している。鳥栖市において、ドライブスルー発熱外来実験まで行ったここ1年の取り組みをみてくれば当然のように思えるが、さすがに手際がよく関心する。彼らが見据えているのはすでに「市街戦」なのである。「ウイルスが国内に侵入し、佐賀県内で患者が多発したらどうするか?」そこまで考えているのである。この手の体制は自治体によって温度差があるので、国家が一概に公表できないのが歯がゆいところであろう。ちなみに僕は佐賀県民ではない、残念ながら。
・佐賀県新型インフルエンザ情報ページ
http://www.pref.saga.lg.jp/web/_23894.html
蛇足ながら付け加えておくが、僕は個人的には今回の第一波には罹患してもいいと思っている。毒性の低い第一波のうちに感染して、感染中絶免疫を獲得し、秋以降の第二波に備えるためである。あくまでも個人的な思いなのでお勧めはしないが。
前回の繰り返しになるが、今回の新型インフルエンザの幕は上がったばかりである。今後フェーズが6まで上がるかどうかは今の所不明である。我々は長期戦の覚悟を決めなければならないのだ。なぜなら戦闘期間を決める自由も攻撃側が握っているからである。
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