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2009年4月

2009年4月29日 (水)

■ウイルスは遅かれ早かれ国内に侵入する

現在成田空港で「水際検疫」なるものが行われているらしい。新型インフルエンザウイルスの国内侵入を阻止するためである。無意味とは言わないが、残念ながらその程度の検疫ではインフルエンザウイルスの国内侵入阻止は不可能であると言わざるを得ない。

SARSと異なり、インフルエンザは、自覚症状が現れる一日前から感染者はウイルスを排出し始める。「昨日、空港ではなんともなかったのに・・」ということは容易にあり得るのである。

もう一点、水際は成田だけなのでろうか?関空や中部国際空港、また港はどうなのだろうか?グローバル化した現代社会には、皮肉にも水際は無数に存在する。成田では機内検疫を行っていると報じられているが、他の水際でそこまでの検疫を行っているとは思えない、もっともそこまでしても侵入を阻止できない理由は上述した。

だからと言って現在の検疫は無意味だとか、ナンセンスだと言うつもりはない。ただ、「ここまで水際検疫を行っているから、ウイルスの侵入は当面無い」と想定してはならないというだけである。

現在の世界での感染者の拡大を見ていると、もはやフェーズは限りなく「5」に近い。WHOも早晩見直しを迫られるだろう。封じ込めは失敗したのである。封じ込めという発想自体がナンセンスだったと言わざるを得ない。

そして現在の我が国は逆向きの封じ込め「逆隔離」を行うべく水際検疫に励んでいる。だが忘れてはならない、攻撃側にはあらゆる選択の自由があるが、守備側にはそれがないということを。つまり我が国は現在の水際検疫を突破された時を想定し、国民に啓発しなければならない。「発熱相談センター」「発熱外来構想」・・・これらを具体的に国民に説明する必要がある。積極的かつ具体的な対策の啓蒙の方がより効果的にパニックを押さえられる。満足に情報公開もせずに、「正確な情報収集をして落ち着いて行動してください」と言っても、それは無理というものである。

佐賀県はおそらく我が国で最も体制が整っている自治体の一つだろうと思う。すでに発熱コールセンターを設置し、フリーダイアルも公表している。鳥栖市において、ドライブスルー発熱外来実験まで行ったここ1年の取り組みをみてくれば当然のように思えるが、さすがに手際がよく関心する。彼らが見据えているのはすでに「市街戦」なのである。「ウイルスが国内に侵入し、佐賀県内で患者が多発したらどうするか?」そこまで考えているのである。この手の体制は自治体によって温度差があるので、国家が一概に公表できないのが歯がゆいところであろう。ちなみに僕は佐賀県民ではない、残念ながら。
・佐賀県新型インフルエンザ情報ページ
http://www.pref.saga.lg.jp/web/_23894.html

蛇足ながら付け加えておくが、僕は個人的には今回の第一波には罹患してもいいと思っている。毒性の低い第一波のうちに感染して、感染中絶免疫を獲得し、秋以降の第二波に備えるためである。あくまでも個人的な思いなのでお勧めはしないが。

前回の繰り返しになるが、今回の新型インフルエンザの幕は上がったばかりである。今後フェーズが6まで上がるかどうかは今の所不明である。我々は長期戦の覚悟を決めなければならないのだ。なぜなら戦闘期間を決める自由も攻撃側が握っているからである。

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2009年4月28日 (火)

■WHOがようやくフェーズ4を宣言

WHOがパンデミックフェーズを「4」に引き上げた。現状から考えると「5」でも不思議ではないのだが、国際的インパクトを考慮してのことであろうか?

ただしフェーズが4になったとしても、今回の「新型インフルエンザ」の毒性は現在のところ極めて低い。例えて言うなら「水虫の世界的流行のフェーズが4になりました」と言っても「ふ~ん」で終わるようなものである(水虫患者の方、ごめんなさい)

であるので、今朝フェーズ4に上がった事を知ってもパニックに陥る必要は全くない。ただ、今年の秋~冬に、今回の新型インフルエンザが再興してくる事に備える必要がある。現在できることは、信用するに足る情報提供先を見つけておくことである。マスコミと違って、ネット上のフルーウオッチャーのサイトは比較的冷静である。面白おかしく不安を煽るのがマスコミの仕事であるので、テレビばかり見ないで、ネット上の信用するに足る情報源を見つけておくことをお勧めする。

以下はいずれも老舗で、信用するに足るページである、ご参考までに。

■外岡博士のページ
http://nxc.jp/tarunai/index.php?action=pages_view_main&page_id=23
■新型インフルエンザ対策の達人
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/
■新型インフルエンザ・ウオッチング日記
http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/
■パンデミック・フルー情報最前線
http://pandemic.seesaa.net/

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2009年4月27日 (月)

■今回の豚インフルエンザが新型インフルエンザである

新型インフルエンザという言葉は日本独自の表現である。英語にはパンデミック・インフルエンザという言葉しかないから、「新型ウイルスによる豚インフルエンザで、パンデミックを引き起こすかもしれない」という表現がされている。国内のマスコミもこの「swine influenza」を「豚インフルエンザ」と訳しているのであるが、我が国ではこのようなインフルエンザを表すのに適切な言葉がある。それが「新型インフルエンザ」である。

今回のいわゆる「豚インフルエンザ」は豚由来のH1N1インフルエンザウイルスが変異して人人感染する能力を得た「新型インフルエンザ」であると言える。しかしながら新型インフルエンザ=重症肺炎を引き起こす=高致死率とは限らないのである。現にメキシコ以外の国での発症者は皆軽症である。

WHOは今回の新型インフルエンザがパンデミックを引き起こす「パンデミック・インフルエンザ」なのかどうかを図りかねているのである。メキシコでは死者/感染疑い者共に増えている。何故メキシコでだけ死者が出るのか、不明である。もしかしたら新型インフルエンザによる死者以外の死者も含まれているのかもしれない。

また我々は、今回の新型インフルエンザの発生はまだ始まったばかりだということを知らなければならない。今回の第一波が去った後、早ければ9月末、遅くとも10月には第二波がやってくると僕は思う。我々はむしろそちらの方に備えなければならないのである。今回の症状がメキシコ以外で非常に軽症なのが、スペインフルを思い起こさせるのだ。

現在の状況で、パニックを起こす必要は全くない。しかし今年の秋以降、今回の新型インフルエンザの第二波が来ると想定して備えておく事は間違いなく必要な事であると僕は思う。

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■もはや豚インフルエンザではない

先週来、にわかに騒がれだしたいわゆる「豚インフルエンザ」であるが、もはやこれは豚インフルエンザではないというのが本当のところである。現に患者の検体から抽出されたウイルスの遺伝子構造が、豚インフルエンザ、鳥インフルエンザ、人インフルエンザの混合であることが確認されている。さらにそれが、CDC曰く「患者が豚と接触していないので、人人感染である」と断定しているのである。これは定義上「新型インフルエンザの誕生」である。「新型インフルエンザ」の定義を思い出して欲しい。

「鳥インフルエンザが人に感染し、人から人に感染していく能力を持ったとき、これを新型インフルエンザと言う」と想定していたのである。たまたま「鳥」が「豚」に変わっただけである。

そして、フェーズは最低でも「4」もしかしたらば「5」と言えるかもしれない。フェーズ4の定義は「新しい亜型ウイルスが人に感染し、人人感染が増えている証拠がある」である。ちなみにフェーズ5は「かなりの数の人人感染が増えている証拠がある」である。この定義に基づくなら、現在のフェーズは最低4となる訳である。

しかしここに落とし穴がある、新型インフルエンザ=高い死亡率という間違った理解が世界的に刷り込まれてしまっていた。ひとえにH5N1に囚われすぎた結果である。WHOはその刷り込みを恐れてフェーズ変更を躊躇している。

メキシコで致死率が高いのは、一つには見え方の問題もあると思う。今後メキシコでは感染疑い者が伸びていって見かけの致死率が低減するだろう。

今回の豚由来の「新型インフルエンザ」は、おそらくこの先終息していくであろうと僕は思う。現在世界的に感染が拡大しているように見えるが、その中には季節性インフルエンザも他の感染症も混ざっている。もちろん今回の新型インフルエンザウイルスも拡大はしているであろうが。不思議なことにメキシコ以外で死者が発生していない。米国、ニュージーランド、フランス、スペイン、イスラエル、カナダ・・全て軽症である。この理由は分かっていない。

今回の「新型インフルエンザ」は今年の秋冬にもう一度やってくるだろう。そしてその時は今回よりも毒性を上げて来るだろう。パターニング思考は危険であるが、それを学習と呼ぶときもある。1918年の経験から学ぶなら、もしかしたらば、今のうちに罹患して感染中絶免疫を得ておく方が得策かもしれない。

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